ヤドカリの観察

 不思議な出会い

2001年5月の初め、自然観察会の仲間7名は屋久島で、3泊4日を過ごしました。最初の日は最
高の天気でしたが、日が経つに従い天気が悪くなり、最終日は朝からかなり強い雨と風で、飛行機
の発着も危ぶまれたので、急遽フェリーで鹿児島まで帰る事になりました。

 
その鹿児島空港で出発便を待っている時、意外な人と逢ったのです。
 
その人は写真学校時代からの友人で、家族4人で 奄美大島からの帰りで、この天候で飛行機が
遅れ、この時間になったと言って近付いてきました。そしてオカヤドカリを後で届けると言われたの
です。

 
そして数日後、オカヤドカリ1匹と、ムラサキオカヤドカリ 2匹をわざわざご当人が届けてくれたの
でし
た。


← 屋久島の川と森
     屋久島の海底↓
   屋久島の海底には、
色とりどりのイバラカンザシ
が見事でした

オカヤドカリの引越し

  慌てて使い古しの水槽に砂を入たり大騒ぎをして準備しました。1週間ほどの間に一番大きなムラ
サキオカヤドカリが2度脱走しました。 1m 程の高さから木の床に落ちたのですが、体中綿埃をつけ
て怪我もせず殻も割れずにいたので一安心・・・・・。
  さらに1週間ほどして、小さい方のムラサキオカヤドカリに、引越しをしてもらおうと考えました。
  殻が大分小さいように思えたからです。
 そこで 今入っている殻より、一回り大きな殻を入れてみましたが、引越しする気持ちが無いらしく、
何の反応も示しませんでした。ホンヤドカリの場合には、今使用している殻
に満足していても、落ちて
いる殻に近付き、確認する動作を行うのですが、このムラサキ
オカヤドカリの行動は意外でした。
  今度はオカヤドカリに、やはり今使っている殻より一回り大きい殻を与えてみました。何度も気にし
ていない素振りで、近くを通り過ぎていましたが、やがて側により、殻の
内部を調べだしました。 引越しをする・・・・と判断できたので、オカヤドカリには気の毒でしたが、大安吉日の日に改めて引越しをしてもらう事にして、引越し先の殻を引き上げました。

 さて・・・大安吉日ですが、暦は関係無く例の自然観察会の仲間の一人に連絡すると、早速見に来
るという事になりました。そして結局自然観察会の仲間が見に来る日
が、大安吉日の日としました。
  当日、自然観察会の仲間は2人でやって来ました。オカヤドカリの引越し立会人は、私を入れて
人となりました。


  今日の主役は、オカヤドカリ・・・そこで2匹のムラサキオカヤドカリは別の容器に移し、引越し先の
貝殻をオカヤドカリのいる水槽の中央に置きました。

  例によって、オカヤドカリは一見気にしない感じで歩き回っているので、自然観察会の二人は無理
だと感じたようでしたが次の瞬間、つかつかと貝殻に寄っていったオカヤドカ
リは、その殻によじ登り
中を確認すると一気に使用中の殻を脱ぎ捨て、新しい殻に引越
しをしました。
 本当に一瞬の作業でしたが、自然観察会の仲間2人にはとても喜んでもらえた様で安心しました。

 
  オカヤドカリの引越しの様子

 @見付けた殻の入口から内部を覗き、使えるかどうかを確認。
 A殻の入口を掴んだまま、今迄使っていた殻を脱ぎ捨て、一気に新しい殻に
   入り込みました。

 Bよいしょ・・・・・と、いった感じで体を起し、引越しが完了です。 


   殻を見付けたホンヤドカリ
   殻の中に小石や砂が入っていたらどうする・・・?

  ホンヤドカリがタイドプールの中を散歩していて、引っ越すのに最適な貝殻を見付けました。ヤドカ
リは急いで近付き、例により中を覗き込んだのですが、あいにく中には砂
や小石が入っていました。
 小石は勿論 自慢のハサミでつまみ出せば 簡単に処理できましたが、殻の中に詰った砂はどうす
れば良いのでしょうか。 私の場合だったら殻を摘み、逆さまにして砂を出す
訳ですが、ヤドカリはも
っと凄い方法で殻の中の砂を取り出していたのです。



  それは貝殻の構造を熟知した合理的且つ、科学的な方法でした。

  とはいっても、その方法は至って簡単・・・・貝殻をある方向にくるくる回せばいいのです。

 貝殻の中は、螺旋状になっているので、貝殻をくるくる回す事で殻の中の砂はその螺旋状の螺肋
に沿って出てくる仕組みです。 因みに逆に回すと、砂は中に入ってしまいま
す。

  それを確実に、砂を出す方向に回転しているのですから、ヤドカリって凄い生物なのですね
  ・・


← 見付けた殻から小石を
  取り出すホンヤドカリ



        見付けた殻を器用に
        回転させて中の砂を
        出す ホンヤドカリ