U  ソメンヤドカリの観察記録

昭和61年8月8日

  石垣島の川平湾で、ソメンヤドカリ を採集。
  夜の10時過ぎ、 星の降るような美しい珊瑚礁の浜辺で、 夜光虫の淡い輝きで体中 を輝かせながらの作業でした。 懐中電灯が無くても海底が見える位、月が光々と輝いていました。 

 昭和61年8月10日

   飛行機で空の旅の後、自宅の水槽
 に落着くが、ハサミと二対の歩脚が自
 切しており、絶望的・・・しかし、生きて
 いることだけは確認できました。



 昭和61年8月17日


   自切から1週間後、自切により平ら
 になっていた切断面が膨らんできて、
 中にハサミの形が確認できるようにな
 りました。


 □結構元気に育っています。

   昭和61年8月21日

   自切から11日目、 水槽に来てから1 回目の脱皮が
 行 われました。

   水槽の中に、あの時沖縄で見たソメンヤドカリがい
 て、活発に動き回っていました。近くに、ハサミと脚の
 無い脱皮殻が転がっていました。

 □脱皮の 2〜3日前から食欲が無くなり心配している
   時の脱皮でし た。


   昭和61年9月6日 (前回の脱皮から16日目)

 自切から27日目、水槽に来てから2回目の脱皮が行われた。


 

   昭和61年10月1日 (前回の脱皮から25日目)

   自切から51日目、水槽に来てから3回目の脱皮が
 行われました。 

 □食欲が無くなり 心配したが、2〜3日してから脱皮
   をすることが分かりました。


 □3回目の脱皮の時、脱皮殻は砂に埋めるのではな
   いか、という事に気がつきました。


   昭和61年11月12日 (前回の脱皮から42日目)

   自切から93日目、水槽に来てか ら4回目の脱皮
 が行われました。 

 □食欲が無くなって から数日後、砂に1cm程の穴を
   掘りまし た。


 □次の日、当のソメヤドカリは、いつも と変わりなく
   していましたが、昨日穴を掘っていた場所の砂の
   中から脱皮殻の触手が、出ているのを発見しまし
   た。

 

 □ソメンヤドカリの埋めた脱
   皮殻を、掘り出してみまし
   た。

 □ソメンヤドカリには申し訳
   無いが、脱皮殻を掘り出
   して砂の上に置くと、気に
   なる様子で水槽の中を動
  き回っていました。

  脱皮殻を観察する。

 □脱皮殻は、ハサミや 歩脚
   はもとより、目や触角、そ
   して体毛の一本いっぽん
   に至るまでそっくり脱ぎ捨
   てるのが観察できる。


  ソメンヤドカリの引越し

 昭和61年 9月14日    宿換え用の貝殻を与える。    1回目の宿換えを行なう。
 
   昭和61年10月19日    宿換え用の貝殻を再び与える。 2回目の宿換えを行なう。

  □貝殻を水槽に入れると、ソメンヤドカリは素早く
    寄ってきて、貝殻の中に ハサミを入れて 住み
    心地の確認をしました。
  □まるでズボンを脱ぐように、古い殻から出ると尾
    を捻って、今度は新しいズボンをはくように新し
    い貝殻に素早く潜り込みました。


  □一時、貝殻の中に引っ込んで中の様子を確認、    すると、すぐに顔を出し新しい殻に入ったまま、   古い殻を掴みます。
 

    ソメンヤドカリの場合、新しい殻に移っただけで
  は、宿換えが完了したとは言えないのです。

    殻には、イソギンチャクが付いていないといけな
  いのです。

  □触角と歩脚を、新 しい殻の背中に回して、何も
    付いていないのを確認します。

 

 剥がされたイソギンチャク
 は、必ずしも足盤が張り付く
 ように新しい殻に取り付ける
 必要はなく、適当に新しい殻
 に近付けるとイソギンチャク
 は足盤か触手で新しい殻に
 吸い付き、自分で足盤を 使
 い移動して、気に入った場所
 を確保します。

 □古い殻に付いているベニ
   ヒモイソギンチャクを、 一
   つづつハサミで器用に剥
   がし新 しい殻に、移し替
  えて行きます。

 
   古い殻に付いていたすべてのイソギンチャクを剥
  がし、新しい殻に取り付け終わって宿換えが終わる。

  □最後に剥がしたイソギンチャクは驚いたことに殻
   の頂上に付けるのではなく、一番下に取り付けま
    した。

  □しばらくして確認すると、一番下に取り付けたイソ
   ギンチャクは、殻を半周して殻の頂上に移動して
   きれいに触手を広げていました。

   昭和61年12月27日   (前回の脱皮から45日目)

 自切から138日目、水槽に来てか ら5回目の脱皮を 行なう。 
 

 最後の脱皮だっ た。
 
  

   昭和62年2月10日

  自切から191日目、前回の脱皮から45日目に死亡。


  □ベニヒモイソギンチャクも、数日後元気が無くなり、 小さくなりやがていなくなってしまった。